再生医療とは
再生医療とは、もともと人間がもっている「再生する力」を利用し、失われたからだの組織を再生する医療のことです。
例えば、トカゲのしっぽは切り離されても、本来持っている力を利用して元通りになるように、
人間にもトカゲほどではありませんが、再生する力を持っています。
このようなイメージを持っていただくと、とても分かりやすいでしょう。
これまで治療法がなかった病気やケガに対して、新しい医療として治療の可能性があります。
しかし、日本では現在、厚生労働省が承認していて、保険が適用となる再生医療等製品が10種類に限られており、
まだまだ安全性や有効性は確認段階となっています。
- 人体は60兆個の細胞で構成され、
幹細胞とはその細胞の幹となる細胞
幹細胞の種類 Stem cell type
ES細胞
ES細胞は他人の受精卵から作られた細胞であるため、移植すると拒絶反応がおきてしまう問題があります。また、生命の源である胚をこわして作るという倫理問題を含んでいます。
ntES細胞
ntES細胞は、患者自身の体細胞の核を持つため、拒絶反応はおきないと考えられています。卵子の提供を必要とするという問題があります。
iPS細胞
人工的に作った多能性幹細胞のことをiPS細胞といいます。
世界ではじめて作製した山中教授によって名付けられました。
その後、より安全で高品質のiPS細胞を作製するために様々な研究が進められています。iPS細胞は胚の滅失に関わる倫理問題もないうえ、患者自身の体細胞から作り出せば、拒絶反応の心配もないと考えられています。発がん性が否定できません。
幹細胞とは Stem cell
私たちの体の細胞は、皮膚や血液のように、ひとつひとつの細胞は寿命が短く、
絶えず入れ替わり続ける組織を保つため、失われた細胞を再生して補充する能力がある細胞を持っています。
同じ種類の細胞ではなく、別の細胞に変わることのできる能力を持つ細胞を「幹細胞」と呼びます。
幹細胞は、皮膚が傷つけられたときに、近くにある幹細胞が皮膚の細胞に変わり、傷の修復を助けることができます。他の細胞に変わることのできる能力を持つ細胞が幹細胞です。そして、幹細胞は自分が変わるだけでなく、傷の修復をしている他の細胞に対して様々な指令を出します。
指令は成長因子と呼ばれるタンパク質や、エクソソームと呼ばれるカプセルのような形で、幹細胞から他の細胞に送られます。それが目的の細胞の受容体に結合すると、受け取った細胞は、傷の修復を活発に行うようになります。
ヒト由来乳歯歯髄幹細胞培養上清液
幹細胞治療に用いられる幹細胞には、脂肪、歯髄、骨髄、臍帯血、胎盤などの種類があります。歯髄幹細胞は、歯の中心部分にある歯の神経で歯の硬い層にガードされている為、遺伝子に傷が付きにくく、良質な幹細胞を多く含んでいます。
この歯髄幹細胞培養上清液は、乳児の脱落前乳歯の幹細胞を培養し、その上清液のことです。一般的に、脂肪から採った脂肪幹細胞上清液が用いられることが多いですが、歯髄幹細胞の方が、抜け落ちる前の生きた幹細胞であり、若い生命力のある幹細胞であることから、効果がさらに期待できます。
歯髄幹細胞培養上清とは Dental pulp stem cell culture supernatant
幹細胞培養上清とは、幹細胞を培養し、細胞を取り除いた液体の事を指し、
薬機法で規定される再生医療の範疇からは外れ、
再生医療実施のための許認可取得が不要の医療材料です。
出典:聖マリアンナ医科大学 井上肇教授
NEWBORN innerselfの
乳歯歯髄幹細胞培養上清の特徴
:AGEL製法
Advanced growth factor enhancing lyophilization technique
AGEL製法(Advanced Growth factor
Enhancing Lyophilization Technique)により
100%フリーズドライ加工を実現し、従来の製剤より多くの成長因子を回収することができます。
- 目的とする幹細胞を刺激する増殖因子を、
選択的に強力に発現させる技術。 - 周囲の創部環境に適した増殖因子をバランス良く
発現させる技術。 - 安定な品質の培養上清のための製造技術。
- 冷凍保存ばかりでなく凍結乾燥保存も可能
出典:聖マリアンナ医科大学 井上肇教授
NEWBORN innerself CPCにより製造された培養上清液の特徴
- 弊社の抽出方法では、未処理の遺伝子発現を
基準とした時、約7.5倍の遺伝子発現が見られる。 - 従来法と比較して約3倍以上の遺伝子発現が
認められる - 従来法と比較して、約1.5倍のVEGF産生が
認められる。
出典:聖マリアンナ医科大学 井上肇教授
組織再生に関わる遺伝子の
発現を向上
弊社指定の製造工場では、特定細胞加工物製造事業社
(2014年11月施行の再生医療等安全性確保法に基づく細胞培養加工施設として認可済)を
取得し、(株)L-CATの技術により、品質の安定した脂肪組織由来間葉系幹細胞の
培養上清液の作成を委託し使用しています。
出典:聖マリアンナ医科大学 井上肇教授
乳歯歯髄幹細胞から
分泌される物質群
Group of substances secreted from dental pulp stem cells
乳歯歯髄幹細胞からは成長因子(細胞の成長、増殖を促進するタンパク質)や
エクソソーム(細胞や組織に働きかけて生体をコントロールするメッセージ物質)
が分泌され、培養上清に含まれています。細胞を用いないCell-Free Therapyとして、
様々な分野で研究が進んでいます。
成長因子/サイトカイン
歯髄幹細胞培養上清に含まれる物質は、美容領域において、
細胞の増殖や分化を調整する役割を果たし、老化や損傷、組織・細胞の機能を回復へ導きます。
成長因子名 | 肌における機能 |
---|---|
FGF1 酸性繊維芽細胞成長因子 |
線維芽細胞の増殖を促進する。 |
FGF2 塩基性線維芽細胞成長因子 |
血管新生作用により、血管環境を改善する。 |
KGF1 角質細胞成長因子1 |
線維芽細胞やケラチン産生細胞の増殖を促進する。 |
KGF2 角質細胞成長因子2 |
線維芽細胞やケラチン産生細胞の増殖を促進する。 |
HGF 肝細胞成長因子 |
培養表皮角化細胞の増殖・遊走を促進し、皮膚の修復に関与する。 |
IGF1 インスリン様成長因子 |
成長ホルモンの刺激によって分泌され、皮膚の成長を促進する。 |
PDGF 血小板由来成長因子 |
血管新生作用により血流環境を改善する。間葉系幹細胞を増殖させる。 |
VEGF 血管内皮細胞成長因子 |
血管新生作用により血流環境を改善し、栄養補給を活発にする。 |
エクソソームとは Exosomes
エクソソームとは、細胞間相互作用・情報伝達において重要な役割をもつ細胞分泌小胞であり、
タンパク質、microRNA、mRNA、成長因子などの分子が含まれ、由来する細胞と類似の機能が備わっている。
幹細胞培養上清に含まれる
エクソソーム
歯髄幹細胞培養上清に含まれる物質は、美容領域において、
細胞の増殖や分化を調整する役割を果たし、老化や損傷、組織・細胞の機能を回復へ導きます。
- 細胞の代謝・シグナル伝達
- 細胞の発生・再生
- 細胞接着
- がん進行・がん移転
エクソソームによる
さまざまな生命現象の制御
- 図1 さまざまな生命現象を制御するエクソソーム
- (A)がん細胞の分泌するエクソソームはオートクライン・パラクライン的に作用して、がん細胞の増殖を促進したり、周囲の細胞に対して血管新生の促進や転移先の環境の制御を行ったりと、さまざまな形で悪性化を促進する。逆に正常細胞が分泌するエクソソームは、がん細胞の悪性化を抑制することが報告されている。
- (B)免疫系においても、各種免疫細胞の細胞間相互作用の仲介役としてエクソソームが多岐にわたる働きをしている。
- (C)MSC由来のエクソソームは障害を負った組織に働きかけて、組織修復を促進することがわかってきた。
幹細胞培養上清(エクソソーム)の
応用範囲
幹細胞培養上清液の効果 Effect of stem cell supernat
- 活性酸素除去作用
-
疲労回復
生活習慣病予防・
改善
- 体内幹細胞分化
促進作用 - 自己再生能力の誘導
- 免疫増強作用
- 悪性腫瘍への効果 感染症への効果 癌細胞の増殖抑制 転移抑制(エクソソームによる効果)
- 神経細胞修復再生作用
- 脳血管障害 脊髄損傷 パーキンソン病
- 免疫調節作用
- アレルギー疾患 自己免疫疾患
- 骨再生作用
- 骨粗しょう症 歯肉炎(歯槽骨の再生)
- 組織修復作用
- 肝障害 間質性肺炎
幹細胞培養上清の皮膚への働き Effect of stem cell culture supernatant on skin
基底膜にある幹細胞の一種、表皮幹細胞が表皮細胞を作り出しターンオーバーの周期を司っています。
また、真皮層にある線維芽細胞がコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸を生成し肌組織を作り出しています。
この線維芽細胞を生み出しているのは真皮幹細胞です。
真皮幹細胞が線維芽細胞を量産し、表皮幹細胞が表皮細胞を量産すれば、
線維芽細胞がタンパク質を量産しターンオーバーが短縮し、肌組織は若々しい健康な状態に戻ります。
- しわ改善
- たるみ改善
- 肌のハリ
- 美白
- 肌荒れ修繕
肌を構成する重要な2つの幹細胞
表皮と真皮の境にある基底膜に表皮幹細胞があります。この表皮幹細胞を作り出しターンオーバーの源になっています。
真皮層の線維芽細胞がコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸を生成しています。